封書からはがきへ?通知書・請求書の発送形状を見直してコスト削減する方法

請求書・通知書印刷
 

通知書・請求書は封書で送るのが当たり前——そんな前提で運用していませんか。紙面や形状を見直すだけで、郵送費も製造コストも下げられる余地があるかもしれません。本記事では、圧着はがきがコスト優位になりやすい理由をシンプルに解説し、封書が必要となる条件と圧着はがきに変更できる要件をチェックリストで整理します。さらに、封書から圧着はがきへ切り替えて大幅なコスト削減につながった事例もご紹介します。

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要件が合えば、コストは圧着はがきが有利になりやすい

郵送コストと製造コストのどちらの観点でも、条件が合えば圧着はがきのほうが安くなりやすいです。郵送コストはサイズ・厚み・重量で決まり、封書は封筒の分だけ重く厚くなりやすいのに対して、圧着はがきは封筒が不要で軽く薄く設計できます。製造コストは紙やインクなどの資材量と工程数で決まり、圧着はがきは封入や封緘といった工程が無いため加工原価を抑えやすい構造です。

全体像のイメージがついたところで、数字の目安を交えながら二つの観点を順に確認していきます。

郵送コストが安くなる理由

郵便料金はサイズと厚みと重量の組み合わせで決まります。イメージしやすいよう、代表的な水準で比較します。

区分料金の目安補足
はがき85円圧着はがきも仕上がりが通常はがき規格に適合すればこの区分
封書(定形・50gまで)110円封筒の重量と厚みが加わる
封書(定形外・規格内・50g超)140円以上重量が増えるほど段階的に上がる

封書の定形で110円が前提の通知物を、規格内の圧着はがきで85円にできれば、一通あたり25円の削減になります。1万通で月25万円、年では300万円の差です。封書が50グラムを超えて140円に上がるケースでは、圧着はがきとの差は一通あたり55円以上に広がります。まずは自社の通知がはがき規格(サイズ・厚み・重量)に収まる見通しがあるかどうかを確認することが最初のチェックポイントです。

製造コストが安くなる理由

製造コストは、使う資材の量と、どれだけの工程を通すかで決まります。封書は印刷のあとに封入、封緘、検査、仕分け が続き、封筒という資材も追加されます。工程と資材が増えるほど段取りと人手と設備稼働が積み上がり、一通あたりの加工原価は上がりやすくなります。

圧着はがきは、基本が印刷、圧着、仕分け の三工程です。封入と封緘をそもそも行わないため、必要な資材は主に用紙で済みます。工程が短いぶん段取りが少なく、ロスも出にくく、結果として加工原価を抑えやすくなります。

参考までに、3万通の目安で製造コストを比べると、
・圧着はがき(Z折・印刷+圧着):約10円/通
・封書(長3・1点封入・印刷+封入封緘):約16円/通
となります。なお、製造単価は部数・仕様・工程設計・品質要件・納期前提などによって大きく変動します。ここでの数値はあくまで比較のための目安であり、最終的な優劣は個社条件での見積もりでご確認ください。

圧着はがきに変更できる条件

最初に仕様要件で形状を絞り込みましょう。次の条件に当てはまる場合は、この段階で封書が妥当です。該当しない場合は、圧着はがきへの変更余地が残っています。

  • 物理同梱が必須:申込書、返信用封筒、案内冊子、カードなどを同封する前提である
  • 返信物の回収が前提:記入・押印が必要な書類を同封し、返送を見込んでいる
  • 紙面分量が多い/全文掲示が必要:約款や詳細説明、図版が多く、はがき規格の紙面に収まらない
  • 体裁・保管性を重視:レター形式のフォーマル感が必要、到着後にファイリング・回覧しやすい形を求める
  • 規程・契約で封書指定:社内規程、監査ルール、取引先との取り決めで封書が求められている
  • 現物在中など特殊内容:金券類や現物など、圧着はがきでは扱えない内容物が含まれる

封書で送る理由が明確でない場合は、圧着はがきを含む別案も検討に値します。どちらを選んでも長所はありますが、まずは仕様面でふるいにかけることが近道です。「自社の通知は圧着はがきに変更できるのか」「どのくらい郵送コストが下がりそうか」など、迷ったら専門家に相談しましょう。

株式会社KDCでは、現行レイアウトや通数、運用ルールを拝見したうえで、封書のままが良いケース/圧着はがきに適するケースを公平に整理し、最適な形状設計をご提案します。あなたの仕様に合う最適解を、一緒に見つけていきましょう。

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OCL de 通知書(オクル ドゥ 通知書)

事例:介護事業・B社様:封書から圧着はがきへ。コスト22%削減

封書から圧着はがきに変更することでコスト削減に成功した事例をご紹介します。

介護事業を展開するB社様では、利用者向けの請求書等を長らく封書で内製し、毎月の封入・封緘・仕分け・差出準備に大きな手間がかかっていました。新規事業の拡大も控え、社内の人員確保と業務の圧縮が急務となったことから、株式会社KDCにご相談いただきました。

私たちはまず、現行の文面とレイアウトを丁寧に棚卸しし、紙面に残すべき必須情報を切り分けました。情報量を要点中心に再構成したうえで、面付けなどを調整し、はがき規格内にすっきり収まるレイアウトへと設計変更。封入・封緘の工程をなくし、宛名面の見やすさと開封の導線も同時に最適化しました。

結果は明快でした。総コストは22%削減。はがき区分に設計し直したことで一通あたりの郵送料金が下がり、製造の負担も軽くなりました。差出準備のリードタイムも短縮され、担当者の負担は大幅に抑制。新規事業の拡大に専念できる体制づくりにもつながっています。

まとめ:最適解は要件次第。まずは専門家に相談を

封書にも圧着はがきにも、それぞれの良さがあります。見極めるポイントはシンプルです。

まず、同梱が必要か/返信物を回収するか/体裁や保管性をどれだけ重視するか/紙面を要点に絞れるかなどを整理して判定します。次に、サイズ・厚み・重量の見通しを立て、どの郵便区分に収まるかを数字で確認します。この順番で現行仕様を棚卸しすれば、ムダなく最適な形が見えてきます。

「自社の通知は圧着はがきに変更できるのか」「封書のまま最適化する余地はあるのか」など判断に迷うときは、株式会社KDCにご相談ください。請求書・通知物業務のBPOで培った知見をもとに、現行レイアウトや通数、運用ルールを確認し、封書が適するケースと圧着はがきが適するケースを整理します。そのうえで、形状と紙面と送料を一体で最適化する設計案をご提案します。固定観念にとらわれず、いちばん無理のない方法でコストと手間を軽くしていきましょう。

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