DICカラーガイドとは、DICグラフィクス株式会社が販売している色見本のことです。
どのような種類があるのか、また使い方や注意点についてまとめました。
この記事のポイントまとめ
- DICカラーガイドとは日本の企業が提供する色見本
- DICカラーガイドを使うと、印刷依頼時に色指定しやすくなる
- 印刷物なので見え方が異なる可能性がある
「DIC(ディック)」とは?
印刷やデザインにおいて「DIC」という場合、国内インク事業などを手掛けるDICグラフィクス株式会社が提供するカラーを指すことが一般的です。
以下、その色見本帳と種類について概観してみましょう。
DICカラーガイドとは?
DICグラフィクス株式会社では「DICカラーガイド」という色見本帳を販売しています。
DICカラーガイドは1968年に発売された初版から現在に至るまで番号と色を変えていないため、どの版を持っていても同じ色を見つけることが可能です。
DICカラーガイドの種類
DICカラーガイドには、次の種類があります。
- DICカラーガイド:全652色(色番号:1~654、一部欠番あり)
- DICカラーガイドPARTⅡ:全637色(色番号:2001~2638、2300欠番)
- 日本の伝統色:全300色(色番号:N701~N1000)
- フランスの伝統色:全321色(色番号:F1~F322、F140欠番)
- 中国の伝統色:全320色(色番号:C1~C320)
なお、販売を終了したものとしては、次の種類があります。
- グレイトーンカラーガイド:全323色(G-1~G-323)
- DICプロセスカラーガイド1000:全1,000色(P-1~P-1000)
DICカラーガイドで色を指定する方法
DICカラーガイドに掲載された各色の番号を伝えることで、色を指定することができます。
依頼先がDICカラーガイドを持っていない場合には、スマートフォンやタブレットで利用できるDICデジタルカラーガイドを通して正確な色を共有しましょう。
また「CMYK値」「RGB値」「マンセル値」など詳細な専門的データもDICカラーガイドには記載されているので、類似する色のイメージを伝えることも可能です。
DIC色の注意点2つ
DICカラーガイドを使うことで、デザインや制作の現場などにおいて正確な色を伝えやすくなります。
しかし、黒や白を指定するときと、ディスプレイを通して色を把握するときには注意が必要です。
それぞれのポイントを見ていきましょう。
1.「黒」や「白」の指定は色名で
DICカラーガイドでは、黒や白はありません。黒や白を指定する場合は、DICカラーガイドの番号ではなく色名で伝えましょう。
2.環境やディスプレイの設定によって見え方が異なる可能性がある
DICカラーガイドは印刷物のため、照明の種類などの環境や印刷の状態、あるいは経年変化により色の見え方が変わる可能性があります。
また、オンラインで見る場合も、ディスプレイの設定によっては見え方が異なる可能性があるので注意しましょう。
先述のDICデジタルカラーガイドでは、有償となりますがこうしたギャップを補正するための「キャリブレーション機能」が搭載されています。
まとめ
日本で使用されるインクには当然ほかのメーカーのものもありますが、DICは色見本帳として国内90%のシェアがあり、標準といって差し支えないほど広く用いられています。
またデジタルカラーガイドでも紙の見本帳に掲載されている2,230色を確認することができ、その利便性はますます高まっています。