インクジェット印刷とは版を用いずインクを対象に直接噴き付けるもので、家庭用プリンターでよく見られる印刷方式です。
本記事では印刷の仕組みやメリット・デメリット、またどのようなシーンに適しているのかについてもご紹介します。
この記事のポイントまとめ
- インクジェット印刷とは微粒状のインクを用紙に噴き付ける印刷方式
- 解像度が高いので、写真などの印刷にも適する
- 印刷速度が速くはないため大量の印刷は苦手
インクジェット印刷とはどういう意味?
その名の通りインクを霧状にして用紙に噴き付ける印刷方式で、「インクジェットプリンター」などがこれにあたります。
家庭用プリンターでもよく用いられ、解像度が高く高品質な印刷が実現できるため写真の印刷にも適しています。
版を使わない! インクジェット印刷の仕組みと原理
インクジェット印刷は版を必要としない「無版印刷」に分類されます。
ノズルからインクを噴射するため対象に直接触れず、スプレーで絵を描くようなイメージといえるでしょう。
このノズルは小さく、しかも細かく照準を合わせることができるため、解像度が高い点も特徴です。また、噴き付けたインクを熱によって定着させたり乾燥させたりする必要がないため、仕上がった印刷物は高温になりません。
インクジェット印刷で使うインクの種類は?
インクジェット印刷で使うインクには、水性インクと溶剤インク、UV硬化インクなどの種類があります。
水性インクとは成分のほとんどが水でできており、用紙に染み込み、水分が蒸発することで定着するインクです。そのため、浸透性が低い対象物には使いづらいという特徴があります。
溶剤インクは、色の成分が有機溶剤に溶けているタイプのインクです。業務用に用いることが多く、浸透性のない看板や横断幕などの対象物にも印刷することができます。
UV硬化インクも溶剤インクと同じく、色の成分が有機溶剤に溶けているインクです。ただし、定着させるときにUVライトを照射する必要があります。他のインクと比べて耐摩耗性が高く、剥がれにくいという特徴があります。
インクジェット印刷のメリットとデメリットを解説!
インクジェット印刷には、メリットもあればデメリットもあります。
以下にその主なものを挙げてみましょう。
インクジェット印刷のメリット
インクジェット印刷のメリットは、以下のとおりです。
- インクジェットプリンターは他のプリンターと比べると安価な傾向にある
- 解像度が高く写真も鮮明に印刷できる
- 部品の交換コストも他のプリンターよりは低め
インクジェット印刷のデメリット
以下のデメリットには、注意が必要です。
- 印刷速度が遅め
- インクがにじむことがある
- 1枚当たりの印刷コストは高め
インクジェット印刷が得意とする用途は?
インクジェット印刷に用いるプリンターは比較的安価なことが多く、業務用はもとより家庭用にもよく用いられています。
鮮明に仕上がるため写真の印刷にも適しており、家庭でも写真入りの年賀状やはがきなどを作成するシーンがおなじみとなりました。
また、それぞれに適した性質のインクを使うことで、紙だけではなく金属や樹脂など様々な対象に印刷することが可能です。
まとめ
世界で初めてインクジェット印刷の特許が公開されたのは、1950年代のドイツでのことでした。
この方式が広く普及したのは80年代半ばごろのことでしたが、カラー印刷が可能なインクジェットプリンターは1986年にヒューレット・パッカード社が初めて実用化しました。
このように振り返ると、結構な歴史のある印刷技術ということがわかりますね。