DMは多くの場合、送る側と受け取る側の気持ちにギャップが生じやすいとされています。
送る側の期待をよそに
「なんだDMか」
と、受け取る側には疎ましく思われることもしばしば…
せっかく送るDMをちゃんと読んでもらうためにはどうすればいいのでしょうか?
この記事では、DMの開封率を上げる5つのポイントを分かりやすく解説していきます!
この記事のポイントまとめ
- 紙DMの特性はピンポイントで情報を届けられること
- 紙DMは、メールマガジンと比較しても開封率が高い
- DM開封率アップのためのターゲット選定・仕様・送付タイミング
そもそも「DM」って、何?
※SNS(Twitterなど)で用いられる、個人アカウントに送るメッセージを指す「DM」の正式名称は「ダイレクトメッセージ」であり、この記事のDM(ダイレクトメール)とは異なります。この記事のDMは紙でできたものを指します。
→Direct Mail(ダイレクトメール)の略でDM。
ターゲット(個人や企業)に向けて直接送られる、郵送またはEメールなどを使った広告物のことです。
ここからは、効果が再注目されている紙のDMについて、開封率の実態と、開封率を上げるための施策についてご紹介していきます!
紙のDMは、メールマガジンより開封率が高いというデータが!
大量に送られてくるメールマガジンに、うんざりしている人も多いのではないでしょうか?
インターネットでの情報過多は、メールマガジンやSNS広告がスルーされやすくなるという事態を引き起こしています。
「DMメディア実態調査2022」調査報告書要約版によると、メールマガジンの開封率は26.5%というデータもあります。
確認が不要だと思われるメールアドレスは、自動的にフォルダ分けされるような設定をする人も多く見られます。
「でも、今どき紙のDMなんて読んでくれるの?」
との思いが頭によぎった方へ。
以下は紙DMの開封率に関するデータです。
- 本人あてDMの開封・閲読率…75.4%
- 宛名なしDMの開封・閲読率…58.0%
(出典「DMメディア実態調査2022」調査報告書要約版 一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会 編)
そう、
紙のDMはちゃんと読まれています。
さらにDMの開封率・閲読率を上げるための5つのポイント
前述したように、DMは、メールマガジンよりも多くの方に読んでいただける傾向にあることがわかりました。
そのDMについて、より開封・閲読率を上げる5つのポイントをご紹介します。
①既存顧客・新規顧客別にターゲットを絞る
DMを送る際、ターゲットの選定はとても重要です。
そして、開けていただけそうな相手にお送りするのが、開封率が上がる一つの方法です。
お知らせする内容に興味・関心の高い層を調べて、宛先を絞り込みます。
次に、ターゲットの選別について、既存顧客、新規顧客別の具体例をご紹介します!
既存顧客にDMを送るには?
例えばあなたがエステサロンを経営していて、夏に向けたダイエットコースのお知らせを送付したい場合。
次のうちターゲットに適しているのはどれでしょうか?
①顧客全員
②ここ1~2年で来店があった顧客
③これまでに、ダイエット目的での来店があった顧客
まずは、②と③に該当するお客様に送付することをお勧めします。
理由は以下の通りです。
②はダイエットへの関心度は不明だが、現在も顧客である可能性が高いため。
または休眠顧客の場合、新たな情報提供で再び興味をもってもらえることも。
③はダイエットに関心がある可能性が高いため、顧客でなくとも反応をいただける可能性があるため。
もちろん①の顧客全体に送るのでもいいのですが、通数が増えるほどコストは上がり、開封率はそれに反比例する傾向があります。
新規顧客にDMを送るには?
新規顧客にDMを送る場合は、リストなどの活用が難しいため、
JPメディアダイレクト(https://www.jp-md.co.jp/dm/town_plus/)などのサービスを使い、ターゲットを絞る方法が一般的です。
それらのサービスを活用する事前準備として、予め社内で自社の商材に沿ったターゲティングを行います。
ターゲティング例:性別、年齢、居住地、居住形態、年収等
そして必要に応じ、ターゲットを選定できるサービスを利用します。
②親近感を持ってもらえる内容にする
DMを手にとった途端、セールス主張が激しいメッセージやデザインに読む気を損ねてしまう人も多いのではないでしょうか。
これは、会社のカラーや環境など、時と場合にもよりますが、主張の強いセールスは苦手、というユーザーも少なくありません。
自社に対して「親近感」を持ってもらうことは、とても大切です。
すぐに購入に繋がらなくても、何かあった時には「そういえばあんなお店があったな」と、思い出してもらうことも期待できます。
ただし、そのためには会社への連絡先や商品ページのURLなど、アクセスに必要な最低限の情報を記載しておくことが必要です。
また、以前に顧客であったものの商品やサービスの利用にブランクが空いている、「休眠顧客」という層も重要です。
休眠状態である理由には様々なものが考えられますが、そうした場合にあまり押し出しの強くない「お知らせ」といったニュアンスの働きかけが有効な場合があります。
もちろん、突発的なキャンペーンなど、強い主張が必要な場面もありますが、
結果を急がずに、ゆったりと顧客の需要が生じるタイミングを待つというスタイルも効果的なアピールの手法としてあげられます。
③「お得な情報」は表面に分かりやすく掲載する
お得な情報を嫌がる人はあまりいません。
DMの内容が、クーポン券のお知らせや特典を含むものなら、そのことは是非、おもて面(外面)に書きましょう!
ポイントは、具体的に、分かりやすく。
前項で、「親近感を持ってもらうこと」とご紹介しましたが、顧客にとって金銭的にメリットのあるクーポンやキャンペーンについてのアピールなら、少々押しが強くても、不快に思う人は少ないはずです。
そして、DMに割引券やクーポン、招待券などを添えると、集客力が増すというデータもあります。
(出典:2018年 凸版印刷株式会社出版 一般社団法人日本ダイレクトメール協会『新DMの教科書』P174)
そして、内容が有益だと分かれば、開封率アップも期待できます。
DMが封筒タイプであれば、プレゼントとして簡単なノベルティを同封することもおすすめです。
④デザインなどで開封したくなる仕掛けを施す
ワンクリックで開くことのできるメールマガジンと比べると、DMを開封する作業は、手間がかかります。
そのハードルを下げるためにも、開封へと気持ちよく誘導するような工夫をしましょう。
開封口に、マークなどで目立つ装飾を施したり、ポップなフォントで「OPEN!」などと書いたりするのも、開封へとポジティブな気持ちにさせるでしょう。
そして、はがきでいうと、通常はがきに比べ、開封を伴う圧着はがきの閲読率が高いというデータもあります。
これも「見えない部分を見たくなる」という心理を利用した、開封率を上げる仕組みの一つといえます。
そして、物理的な開けやすさにこだわることも大事です。
「開封口はこちら」など、分かりやすい目印をつけることも親切ですね。
封筒でいうと、ビニール封筒で粘着性の強いものは、引っ張るほどに伸びたりして開けにくく、結局は開封するのを諦めてしまう人も多いそうです。
封筒や包装材などについて、開封しやすい素材を選ぶことも大切な配慮です。
⑤購入意欲が高そうなタイミングを見計らって送る
DMは、送るタイミングがとても重要です。
次に、開封率アップに効果的だと思われるタイミングをご紹介します。
送るタイミング1:前もって内容をお知らせ「キャンペーン期間前」
期間限定キャンペーンDMの場合は、期間前に送って顧客にキャンペーン内容を事前にお知らせしましょう。
期間中よりも期間前に送った方が効果的です。
送るタイミング2:お金に余裕のある「給料日後やボーナスの時期」
給料日後やボーナスの時期に合わせて送ると、顧客の購入意欲を刺激できます。
お金に余裕がある時の方が、効果は高いのではないでしょうか。
送るタイミング3:特別感をアピールできる「顧客の誕生日」
誕生日に合わせて送る、バースデーDMというものがあります。
自分の誕生日に合わせて送られてくるDMは温かみや特別感があり、効果が見込めますよ。
送るタイミング4:来店を促進できる「季節ごとのタイミング」
美容院・ネイルサロンだと、春夏秋冬ごとに顧客にDMを送り、来店の促進をしましょう。
例えば、「夏の前に髪をカットしませんか?」といった内容のDMを送ると効果的です。
思いのこもったDM、適切なタイミングで送り出してあげましょう!
企業宛てDMの開封率を上げるちょっとした工夫とは
DMを企業に向けて送る際、見てもらいたい人(代表など)に到達するにはハードルが高くなります。
何故なら、受け取った郵送物は一般的に、従業員のどなたかが受け取り、必要かどうか選別されてしまうから。
そこで、宛名を企業宛ではなく “企業の◯◯様宛” とすると、それまで反応のなかった企業から、レスポンスを頂けたということも度々ありました。
(例)株式会社〇〇 御中
↓
株式会社〇〇 御中
代表取締役 〇〇〇〇様
「DMメディア実態調査2021」によると、顧客向けDMは無宛名DMに比べて4倍弱もの訴求力を持つと分析しています。
このことからも企業に送るDMでも、「個人宛」というピンポイントでの働きかけが効果的だといえるでしょう。
工夫をこらして、開封してもらえるようなDMを送ろう!
DMの開封率を上げるためのポイントについて、ご理解いただけましたか?
送る相手を絞ったり、見せ方や開け方を工夫したり、また送るタイミングを選ぶだけでも、
DMの開封率は変わってきます。
紙となったDMは、いわば会社の小さな分身。
ちゃんと “開封” してもらえるよう、受けとる人が開けたくなるようなDMを送りましょう。