平版印刷とは凹凸のない平らな版材を使って印刷する方式で、現在多用されている「オフセット印刷」などが代表例として挙げられます。
本記事では平版印刷のメリット・デメリット、用途を解説します。
この記事のポイントまとめ
- 平版印刷は凹凸のない平らな版を使って印刷する
- 平版印刷の一種オフセット印刷はローラーに付けたインクを転写する印刷方法のこと
- 新聞やポスター、折り込み広告、書籍など、さまざまなものに使われている
平版印刷とは
平版印刷とは凸版や凹版と異なり、平らなままの版を使って印刷する方法です。
製版時に版材の印刷する部分(画線部)だけをインクに親和する油性にしておき、それ以外の部分には水をしみ込ませます。
この状態でインクをつけると、水と油とが反発しあうことによってインクが残る部分と弾く部分ができ、色をつけたい部分のみへの印刷が可能となります。
平版印刷の種類・オフセット
大ロット印刷の場合には、平版印刷の一種である「オフセット印刷」がよく使われています。
オフセットとは、まず平版にインクを乗せて、そのインクを樹脂やゴムで作られたブランケットと呼ばれる転写ローラーにつけて、印刷用紙に転写させる印刷方法です。
版と印刷用紙とを直接触れさせず、インクを転写ローラーに付けて(オフして)から紙に刷る(セットする)ことから「オフセット」と呼ばれます。
平版印刷の種類・リトグラフ
「リトグラフ」も水性と油性の反発作用を利用し、石製や金属製など水平の版材と専用のプレス機を使って印刷する方法です。
1798年に完成したとされる技法ですが、以降には化学処理された木板を使った木版リトグラフや、シリコンを使うことで水を必要としないウォーターレスリトグラフなど、新しくさまざまな印刷方法が開発されています。
平版印刷で作成するメリットとデメリット
平版印刷にも当然ながら特性上の一長一短があります。以下にその代表的なメリットとデメリットをまとめました。
平版印刷のメリット
平版印刷のメリットには、以下の例が挙げられます。
- 鮮明で再現性が高い
- 凹凸などの立体加工を施さずに版を製作できる
- リトグラフでは版に直接絵を描くため絵画印刷に適する
平版印刷のデメリット
一方で、平版印刷のデメリットは以下のとおりです。
- 印刷濃度が不安定になりやすいこと
- 石版のリトグラフでは版の素材が重く、入手しにくい
- リトグラフの石版は水平を維持するため定期的に研ぐ必要がある
平版印刷の用途
最後に、平版印刷の印刷方法がよく選ばれている印刷物にはどのようなものがあるのかについて、チェックしていきましょう。
新聞やポスター
先述のとおり、新聞やポスターなどは平版印刷の印刷方法がよく用いられています。
そのほか、カレンダーや折り込み広告、書籍など、幅広い印刷物に使われている方法です。
新聞・ラベル・シールといったような「ロール仕上げ」が必要な物はオフセット輪転機を使って仕上げます。
金属
平版印刷は金属への印刷にも使える方法です。
たとえばブリキ板やアルミ板といった材質にも用いられ、その際は白などの下地を施した上にデザインなどを印刷して保護のためコーティングを施すのが一般的です。
まとめ
平版印刷では版そのものに凹凸がないため、インクが付着する部分とそうでない部分を化学的な手法で区分けする技術が特徴となります。
凸版や凹版と異なり版そのものを立体に作る必要がなく、現代ではインクを弾く部分にあらかじめ樹脂やシリコンを塗布した版も使われています。