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文章の「校閲(こうえつ)」とは何のこと? その意味や校正との違い、チェックポイント例を解説!

「校閲」とは文章の表記や記述に誤りがないかをチェックし、適切な修正指示を行う作業のことです。本記事では校閲の概要に加えて「校正」との違い、チェックすべきポイントの例やその重要性について解説します。

この記事のポイントまとめ

  • 校閲とは文章内容の誤りを正して整えること
  • 校閲ポイントの例には、固有名詞・記述内容の矛盾・歴史的事実、差別表現などがある
  • 校閲によりコンテンツの品質向上や品質事故の未然防止に寄与する

校閲とは?

先に述べた通り校閲とは、文章内容に事実誤認がないかどうか資料にあたって確認したり、引用や表現が適切かをチェックしたりして修正指示を行う作業工程のことです。

そのカバーする範囲は広範で、オーダーによっては文体や語調の一貫性、スタイルやフォーマットの整理など編集的な要素まで含める場合もあります。

校閲とよく似た言葉、「校正」との違いは?

校閲と似た言葉に「校正」がありますが、こちらは原稿や修正の指示内容が制作物に正しく反映されているかをチェックする作業のことです。

一方、校閲では記述内容の事実関係調査といったいわゆる「ファクトチェック」や文章の整合性、構文の一貫性などの確認を求められるのが一般的です。

チームや企業によってそれぞれの範囲は違うため両者の明確な線引きは難しいですが、ごく大まかに校正は原稿指示通りになっているか、校閲は内容に間違いがないかを精査する作業とも言い換えられるでしょう。

校閲をする際のチェックポイント4つ

校閲をする際にチェックすべきポイントの例を、以下に4つ挙げてみました。

1.固有名詞に誤りがないか

2.内容が矛盾していないか

3.歴史的事実や因果関係

4.差別表現になっていないか

それぞれのポイントを詳しくチェックしていきましょう。

1.固有名詞に誤りがないか

固有名詞に誤りがないかどうかは重要なチェック項目です。

原稿に書かれている固有名詞などが間違っているケースもあるため、しっかりと確認することが重要です。

企業名や建物名、人名、商品名などはもとより、漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベットなど正しい表記はどれであるのか、一字ごとのチェックが必要となります。

2.内容が矛盾していないか

校閲では文章の内容が矛盾していないかを確認します。主張が変わっていないか、設定が変わっていっていないかなど、記事内容の信憑性を損なうような誤りがないかどうかの確認が大切です。

例えば文芸作品などで、暗い部屋に入る際に明かりを点けるシーンがあったとして、しばらく後に登場人物がもう一度点灯する描写があったとするとこの矛盾を指摘します。

3.歴史的事実や因果関係

正確な資料をもとに歴史的事実や因果関係を確認するのも校閲の重要なポイントです。

事実と異なる内容になっていないかどうか、また引用元がある場合には文意が異なっていないかどうかなどを確認します。

制作者や著者が原典の内容を読み違えて記述するケースも皆無ではないため、クロスチェックの機能も担っています。

4.差別表現になっていないか

繊細な問題である差別表現にも注意が必要です。はっきりと差別用語を書いていない場合であっても、結果として差別的な表現になってしまうケースもあります。

読み手によっても感じ方が違い、また時代とともにニュアンスに変化がみられる言葉もあるため、多角的な視点で差別表現にあたらないかどうか考察することが必要です。

校閲でファクトチェックをする2つの目的

校閲でファクトチェックをすることの目的は、大きく以下の2つが挙げられます。

1.コンテンツの品質を向上させる

2.事実相違によって起こるトラブルを防ぐ

1.コンテンツの品質を向上させる

校閲をかけることによって内容の正確さや文章の一貫性などを担保し、コンテンツの品質を向上させる効果があります。

情報が正確かつ、読み手がより理解しやすいものにすることで文章の信頼性が上がるため、校閲が担う重要な目的の一つです。

2.事実相違によって起こるトラブルを防ぐ

媒体が印刷物でもwebでも誤った情報を記載したコンテンツが世に出てしまうと、信頼性を損なうばかりか重大な実害や金銭的損害となるケースもあります。

校閲でファクトチェックを行うことにより、事実相違のみならず差別表現や著作権侵害などに起因するトラブルを未然に防止します。

まとめ

校閲では文章内容の正確性を確認するのがメインとなりますが、優れた校閲者は著者も気付けなかった事柄までカバーすることも少なくありません。

ある出版社の校閲部では、例えば「地点と日時が明示されたシーンで南風が吹く」といった描写がある場合、その地域のその季節・時間には該当する方角から本当に風が吹くのかを気象データと照合するといいます。

あくまで一例ではありますが、こうしたファクトチェックの深度が校閲という作業の肝になるといえるでしょう。

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