通常のはがきサイズなどで届くDM(ダイレクトメール)に加えて、ひときわ大きな判型のものを目にすることがないでしょうか。
これは一般に「大判はがき」と呼ばれるタイプのDMで、よく目立つうえに掲載情報量も多いため、強いインパクトがありますね。
これには送り手側にとっても、封筒で送付するケースに比べて封入作業にかかる手間やコストを削減できたり、デザインの幅が広がったりするなど様々なメリットがあります。
DMにおすすめの大判はがきですが、そのサイズに関して、通常のはがきよりも大きいことはわかるものの、具体的な大きさをイメージすることは難しいかもしれません。
そこで本記事では、数々のDMをプランニングしてきたプロが、大判はがきについて解説します。大判はがきの大きさを理解するために、一般的なはがきのうち最大サイズのもの、定形郵便物最大サイズのはがき、A4サイズの大判はがきの寸法や郵便料金などをご紹介。
あわせて、最小サイズのはがきについても解説します。
販促で大判はがきを使うことを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事のポイントまとめ
- 手紙が第一種郵便物であるのに対し、はがきは第二種郵便物に分類される
- はがきには、あらかじめ切手と同じ効果をもつ料額印面が印刷されている「郵便はがき」と、自分で切手を貼る必要がある私製はがきがある
- 第二種郵便物のはがきのうち、最小のサイズのものは縦14×横9cm、最大のサイズのものは縦15.4×横10.7cmで、重さはいずれも重さは2~6g
- 第一種郵便物の定形郵便物として扱われるはがきの最大の大きさは縦23.5×横12cm、重さは50g以下
- 定形外郵便物扱いのA4サイズのはがきの大きさは縦23.5×横12cmで、文章を書ける面積は一般的なはがきの約7倍以上
- 大判はがきは開封の必要がないこと、封入作業の手間やコストを削減できること、通常のはがきに比べ掲載できる文章量が多いこと、インパクトのある紙面にしやすいといったメリットがある
はじめに
はがきとは郵便葉書のことで、第二種郵便物に分類されるものです。ちなみに、第一種郵便物とは手紙のことです。
はがきとひと括りにいっても、あらかじめ切手と同じ効果をもつ料額印面が印刷されているものと、自分で切手を貼るタイプのものがあります。
料額印面が印刷されているはがきは、通称「官製はがき(郵便はがき)」と呼ばれ、切手を貼るものは「私製はがき」といいます。
官製はがきの「官製」とは、かつて国が郵政事業をおこなっていた時代に使われていた言葉です。郵政民営化により、現在は正確には官製はがきとはいわず、「郵便はがき」という名称が用いられています。
はがきの語源は紙片などにかいた覚書の「端書(はしがき)」で、かつては「端書」「羽書」と表記されていました。
江戸時代になり仮の徴税令書、借金の督促状などをはがきというようになり、郵便制度が導入された明治以降は現在のように郵便はがきを指すようになったとされています。
漢字で「葉書」と描かれるようになったのも明治以降であり、近代郵便制度をつくった前島密(まえじまひそか)が採用したといわれています。「はがき」の「は」に葉という漢字が当てられたのは、別名「はがきの木」と呼ばれ、郵便局の木に指定されている多羅葉(たらよう)に由来するという説が有力です。
最小サイズのはがき
はがきには、料額印面が印刷されている郵便はがきと、切手を貼る必要のある私製はがきがあることは先ほどお伝えしました。
私製はがきを第二種郵便物として郵送するためには、サイズと重さを決められた規格にしなければなりません。
大判はがきの特徴を確認する前に、参考までに最小サイズのはがきの寸法や重さ、郵便料金についてもおさえておきましょう。
寸法
最小サイズのはがきの寸法は、縦14×横9cmです。郵便はがきの大きさが縦14.8×横10cmであるため、それよりも小さいことがわかります。郵便はがきよりもサイズに自由度がある点が、私製はがきのメリットといえるでしょう。
ただし自由度が高いといっても、規格を外れた場合には第一種郵便物、つまり手紙として扱われる可能性があることに注意が必要です。その場合、はがきの郵便料金では料金不足になり、届かなかったり、受け取る相手に迷惑をかけてしまったりするかもしれません。
重さ
重さは2~6gです。往復はがき以外のいわゆる通常はがきは、いずれもこの範囲内の重さにする必要があります。往復はがきとは、往信用はがきと返信用はがきが一続きになったはがきのことです。
2g以下となった場合でも、通常はがきの要件を満たすことができないため注意しましょう。また、最小サイズの往復はがきの場合、重さは4~12gです。
料金
第二種郵便物であるはがきのうち、通常はがきであれば大きさに関わらず85円の郵便料金で送れます。往復はがきの郵便料金は170円です。
最大サイズのはがき
次に、第二種郵便物のはがきの規格のうち、もっとも大きなものの寸法や重さ、郵便料金を確認しましょう。
ここでの「最大サイズのはがき」とは、第二種郵便物のはがきの郵便料金で送れるもののうち、もっとも大きなサイズのはがきを指します。定形郵便物扱いになる、さらに大きなサイズのはがきとは別のものであることに注意してください。
寸法
第二種郵便物として郵送できるもっとも大きなサイズのはがきの寸法は、縦15.4×横10.7cmです。この寸法よりも大きいものは、定形郵便物の扱いになります。はがきの郵便料金で郵送する場合は、このサイズ内におさめましょう。
重さ
第二種郵便物扱いとなる最大のはがきの重さは2~6gです。最小サイズのはがきの項でも触れましたが、往復はがき以外の通常はがきは、この範囲内の重さにすることが決められています。往復はがきの場合、重さは4~12gです。
料金
最大サイズのはがきも、最小サイズのはがきと同様に郵便料金は85円です。第二種郵便物の通常はがきであれば、大きさに関わらず一律85円であることを覚えておきましょう。なお、往復はがきの郵便料金も最小サイズのはがきと同じ170円です。
定形郵便物としての大判はがきサイズについて
ここからは、定形郵便物として扱われる最大サイズのはがきの寸法や重さ、郵便料金を解説していきます。定形郵便物の最大サイズのはがきとは、さきほどご紹介した第二種郵便物の上限よりもさらに大きく、第一種郵便物として扱われるものを指します。
したがって正確には「はがき」には分類されませんが、これ以上のサイズのものを指して「大判はがき」と呼ぶことがあります。
定形郵便物扱いであるため、第二種郵便物のはがきよりも郵便料金が高くなることに注意しましょう。
ダイレクトメールを送る際、大判はがきであれば目立ちやすく、ほかの郵便物に紛れてしまう可能性が低くなります。そのため、商用のダイレクトメールに適しているといえるでしょう。
また文字やイラスト、写真を大きく表示することができるためインパクトがあります。封書でないため封を開ける前に捨てられてしまうこともなく、そのままの状態で内容が伝わってくることもメリットです。
寸法
定形郵便物として扱われる大判はがきの寸法は、封筒の寸法と同様、縦23.5×横12cmまでです。
重さ
大判はがきの重さも、定形郵便物の封筒と同じ50g以下にする必要があります。
料金
定形郵便物の郵便料金は50g以下は110円です。この規格を超えると、定形外郵便物として重さに応じて郵便料金が変わっていきます。
“A4サイズ大判はがき”のメリットとは?
定形郵便物の最大サイズよりもさらに大きい大判はがきとして、A4サイズ(縦29.7×横21cm)のものもあります。
一般的なはがきの約4倍の大きさで、表面は宛名書きのスペース以外に余白があるため、文章を書ける面積は通常の約7倍以上になることが特徴です。
A4サイズのはがきの郵便料金は、通常は定形外郵便扱いになるため、一通あたり120円です。
大判はがきとしてダイレクトメールなどに使われることが多いですが、これも厳密には「はがき」ではないことに注意しましょう。
A4はがきを多用している業種としては、コンサルタントや通販会社、保険会社、化粧品会社、自動車関連の会社などが挙げられます。
特に会社との関係性が薄い新規顧客に効果が高い媒体であるといえますが、宛名指定でない場合や、知らない企業・団体からのDMである場合などには開封率の低さが課題となります。
その点A4はがきは封を破るという手間を必要とせず、その大きさと視認性の高さからDMとしての趣旨が受け手に伝わりやすい点がメリットです。
差出人氏名と記載の概要を一目で把握できるため、大きな宣伝効果と安心感を伝えることができるでしょう。
また封書タイプのダイレクトメールに比べて、発送代行の費用も抑えられます。折り込みや封入作業にかかる人件費を削減できることも利点です。
さらに圧着タイプの大判はがきDMなら展開が可能なため、送料はそのままで中面により多くの情報を掲載することができます。
まとめ:大判はがきをダイレクトメールに有効活用しよう
今回は、一般的に大判はがきと呼ばれるはがきの寸法や重さ、郵便料金について解説してきました。
一口に大判はがきといっても、通常のはがきのうち最大のもの、手紙と同じ第一種郵便物の取り扱いとなるもの、定形外郵便物扱いとなるA4サイズのものというように、さまざまなものがあります。
そのため、人によってイメージする大きさも異なるでしょう。
もう一度それぞれの最大サイズをまとめますと、通常はがきは縦15.4×横10.7cm、定形郵便物として扱われる大判はがきは縦23.5×横12cm、定形外郵便物であるA4サイズのはがきは縦29.7×横21cmです。
大判はがきはその大きさにより掲載できる情報量が多く、趣旨が分かりやすくインパクトのある紙面にしやすいことが魅力です。
しかも封入作業の手間やコストが削減できることから、DMとの親和性が高いアイテムの一つといえるでしょう。