印刷やデザインで「パントン(Pantone)」といえば、アメリカ・ニュージャージーのPantone社が製造するインク色のことを指すのが一般的です。
各色に独自のカラーコードが割り当てられ、色の検索や指定をする際に活用されています。
この記事では、パントンの概要やメリットなどを解説します。
この記事のポイントまとめ
- パントン(Pantone)はアメリカの企業が提供するカラーのこと
- パントンのPMS(=色見本帳)は色の検索や認識のすり合わせに用いられる
- パントンで色を指定することで、色のブレの防止や特色の使用が可能となる
パントン(Pantone)カラーとは?
パントンはカラーに関する専門的な知識を有する企業として知られており、独自に指定するカラーコードは世界中で採用されています。
一つひとつの色に「PANTONE〇〇」のような番号が割り振られているため、番号を指定することで色のイメージを共有することが可能です。
なお、パントンでは毎年「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」を発表し、その年のトレンドとされる色を選出しています。旬の色を取り入れたいのであれば、パントン・カラー・オブ・ザ・イヤーにも注目してみるといいでしょう。
PMS(Pantone Matching System)とは?
PMS(Pantone Matching System)とは、パントンが提供する色見本帳のことです。各色に割り振られた「カラーコード」を一覧で確認でき、色の検索や色の認識のすり合わせなどに活用されています。
PMSは1種類だけではなく、例えば「フォーミュラガイド」「カラーブリッジ」「メタリックガイド」「パステル&ネオンガイド」「CMYKガイド」など、用途ごとにさまざまなタイプがあります。
幅広い分野に対応しており、印刷物はもちろんWebやプロダクトデザインなどの業界でも用いられています。
色見本パントン(Pantone)で作るメリット2つ
パントンを用いるメリットとして、以下の2つが挙げられます。
1.パントンのカラーコード指定で印刷物の色のブレを抑えられる
2.世界標準のため海外向け製品などで色イメージの共有が容易となる
色の指定をパントンで行えば、より理想に近い印刷物が作れるでしょう。ここでは、パントンを使用するメリットについて解説します。
1.パントンのカラーコード指定で印刷物の色のブレを抑えられる
パントンのカラーコードを指定することで、色のブレを抑えられます。
例えば一口にピンクと言っても、淡いピンクからビビッドなピンクまでさまざまな表現があるでしょう。
外注先にピンクと指定しただけでは、双方で色の認識に齟齬が生じてしまい、思い通りの仕上がりにならない可能性があります。
その点、パントンで色を指定すると色のイメージが的確に伝わります。双方で色の共通認識を持てるため、正確な色合わせができるでしょう。
2.世界標準のため海外向け製品などで色イメージの共有が容易となる
アメリカ発のパントンカラーは、世界中のデザインや製品に用いられています。
その汎用性は国際標準ともいえるもので、海外向けの製品であればパントンによる色指定でスムーズに共通認識を得られるでしょう。
例えばAmazonやTwitter、Mastercardなどの各社も企業ロゴにパントンカラーを用いています。
まとめ
パントンの色見本帳はグラフィック・印刷向けのフォーミュラガイドだけでも2,161色が掲載されています(2023年3月現在)。
これら新色の追加もあるため、まだまだ増えていく可能性もあるでしょう。
一方、色見本帳は露光や紙の経年劣化などによって風合いが変わってくるため、パントンでは1年~1年半ほどの周期で更新することを推奨しています。