製薬業界は薬価引き下げの影響が大? 最新動向まとめとMR活動の情報発信ポイント、紙DMアプローチの有効性を解説!

医師と薬の効果表

概況:製薬業界は薬価抑制策の影響で縮小傾向

医療の一端を担う重要な柱である「医薬品」。

近年ではジェネリック医薬品(後発医薬品)の普及など国策としての薬価引き下げが進んでいますが、国民医療費は増加傾向となっています。

厚生労働省がまとめた「令和3年度 医療費の動向 ―MEDIAS―」によると、2021年度の概算医療費総計は前年比4.6%増の44.2兆円、うち調剤医療費は前年比2.7%増の7.8兆円に達しています。

一方、同省の「令和3年薬事工業生産動態統計年報の概要(医薬品生産金額の推移)」によると製薬業界全体では医薬品の生産額が減少しており、2021年は前年比0.9%減の約9.18兆円でした。

統計の調査方法が変更された2019年は約9.49兆円でしたが2020年は2.4%減の約9.26兆円、内訳でも医療用医薬品および要指導医薬品・一般用医薬品いずれの区分も減少しています。

また製薬業界の課題について業界動向サーチの記事(製薬業界の動向やランキング、今後は?-業界動向サーチ (gyokai-search.com))では、以下3つのポイントを挙げています。

・2年に一度であった薬価改定(引き下げ)が2021年度より毎年になったこと
・先発医薬品(新薬)の特許切れで収益が低下すること
・後発医薬品(ジェネリック医薬品)の価格が新薬の50%以下と収益性が低いこと

このようなことから、同記事でも指摘の通り製薬企業の収益減が新薬開発を阻害する懸念が高まり、国民生活における医薬品の需要とのアンバランスが生じることも考えられるでしょう。

こうした状況下の製薬業界ですが、医療関係者に医薬品の有効性や安全性などの情報を提供するMR(Medical Representative:医薬情報担当者)の役割がますます重視されています。

本記事ではMRをとりまく状況を概観し、医師や薬剤師へのアプローチでは双方にどういった意識の差があるかをまとめ、営業活動における紙のDM(ダイレクトメール)の有効性を解説します。

医薬品を医師・薬剤師へとつなぐMRは人手不足? その総数は9年連続で減少

公益財団法人MR認定センターの「MR白書(2022年版)」によると、実は全国のMRの人数は減少し続けています。

2013~2021年の間では2013年の65,752名をピークに毎年漸減し、2021年では51,848名と9年間で約20%減となりました。

上記調査における回答者へのアンケート(n=202)ではMR数の今後の見通しについて「減る見込み」「変化なし」が合わせて50%超、「わからない」が約29%と増加には否定的な見解や先行きの不透明さが目立ちます。

また日経メディカルプロキャリアの記事(【第18回】MR対象 「コロナ禍で変化したこと~業務・コミュニケーション編~」に関する意識調査 | メディカル業界アンケート集計結果 | キャリアLabo | 日経メディカルプロキャリア (nikkeihr.co.jp))によると、2022年3月の調査ではコロナ禍以前に比べて業務量が「増えた」との回答が45%に及びました。

このような現状からMRは人手不足の傾向がうかがえますが、医療関係者とのコンタクトはコロナ禍による面会規制の影響もあり変容してきています。

その筆頭格にメールによる通知が挙げられますが、例えば㈱アンテリオ(現:(株)インテージヘルスケア)による2018年の調査(PR TIMES記事MRからの情報提供、メールでの受信は半数以下|株式会社インテージホールディングスのプレスリリース (prtimes.jp))ではメールで情報提供を受けている医師は対象16,717名の半数以下、一人あたり平均1.5社にとどまりました。

しかし㈱エム・シー・アイの2020年調査(ミクスOnline記事MRから医師へのメール 平時の3倍に 新型コロナでの訪問自粛受け MCI調べ | ニュース | ミクスOnline (mixonline.jp))では、同年3月第1週のMRによる医師へのメール送信件数が15,000件と平時の約3倍になったことが報告されています。

このように直接訪問・面会の制限に対して電子メールやリモート面談、あるいは紙DMなど郵便物の送付といった代替手段が注目され、活用が進んでいます。

この傾向はコロナ禍での状況に後押しされた面もありますが、アフターコロナにおいてもMRの人手不足を補う効果を期待できるでしょう。

ではそうした方法を含め、医師や薬剤師はどういった情報を求めているのでしょうか。

次に医療関係者がMRに期待している情報提供の内容を、具体的に見ていきましょう。

医師・薬剤師がほしい情報と、MRの意識にはギャップあり。本当に望まれる情報とは?

公益財団法人MR認定センターの「MR実態調査2022報告書」では、医師及び薬剤師がMRから得たいと思っている情報と、MRが自身に望まれていると考える情報とのギャップに関する調査結果が記されています。

これによると①「医師がMRから欲しいと思う情報」と②「MRが考える『医師がMRから欲しいと考えている情報』」の間には大きな乖離は見られません。

①における第1位の「製品名、効能・効果、用法・用量など処方箋に記載する際の基本情報」、第2位の「禁忌、慎重投与、使用上の注意などの適正使用情報」は②においてそれぞれ第2位・3位の位置にあります。

②の第1位である「副作用など安全性の情報」は①において第5位となっていますが、両者がポイントと考える上位項目はほぼ共通しているといえるでしょう。

一方、A.「医師がMRからの情報を最も頼りにしている情報」とB.「MRが考える『医師がMRを最も頼りにしている情報』」との間にはややギャップが認められます。

A.では「講演会、研究会の案内」「出荷調整、欠品などの流通関連情報」が第3位・4位であるのに対し、B.ではこれらが第2位・1位です。

また、他3点の項目はいずれも互いに異なるものがランクインしています。

このことからMR側からの情報提供においては、医師が頼りにしている内容と認識の差があることがわかります。

ただし対象が医師ではなく薬剤師の場合、上記どちらの項目においてもMRとの大きな感覚差は見られませんでした。

この結果を踏まえ、医療関係者が求める情報を的確に把握してアプローチすることが重要といえるでしょう。

MRによる情報提供での注意事項とは? 関係法令とガイドライン、調査報告書をご紹介

医療関係者に医薬品の情報提供を行うMRですが、その活動には法律の定めによる制限があります。

代表例として医薬品等に関する広告規制があり、関係法令である「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)」には誇大広告や承認前の医薬品等広告の禁止、特定疾病用の医薬品広告制限等が定められています。

また、厚生労働省は「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」を策定しており、同省が三菱UFJリサーチ&コンサルティング㈱に委託する形で「医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業報告書」が毎年度発行されています。

令和3年度(2021年度)の同報告書によると、製薬企業担当者の違反が疑われた項目26件のうち「エビデンスのない説明を行った」が38.5%(10件)と最も多く、次いで「他社の製品を誹謗・中傷する表現を用いた」が19.2%(5件)、「それ以外で事実誤認の恐れのある表現を用いた」が15.4%(4件)となっています。

同調査は年度ごとに分類項目の設定やモニタリング対象期間に差があるため単純な比較はできませんが、上記報告書記載の平成28年度(2016年度)データより毎年疑義報告が発生していることから、重要な課題といえるでしょう。

薬局向けの医薬品安全情報提供には紙のDM(ダイレクトメール)がおすすめ! 開封・閲読率もEメールと合わせて解説

PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)がまとめた「令和4年度 薬局における医薬品安全性情報の入手・伝達・活用状況等に関する調査  調査結果報告書」には、医薬品の安全性情報入手先の統計が記載されています。

上記報告書によると調査数(n=2,103)に対して製薬企業が提供するものの中では、全体での第1位が「MR(69.9%)」、第2位が「(紙の)ダイレクトメール(56.1%)」、第3位が「ホームページ(29.9%)」となりました。

特に面会の代替手段としても注目されるダイレクトメールは、全体統計以外の「処方箋応需枚数別(3,000~3,999枚)」63.2%、「常時在庫している医薬品数別(2,500~2,999品目)」62.1%、「経営主体別(個人)」60.9%といずれも高い割合を占めています。

ちなみに参考値ではありますが、一般社団法人日本ダイレクトメール協会の『「DMメディア実態調査2022」調査報告書要約版』によると本人宛てDMの開封・閲読率は75.4%と大きな数値を示しており、Eメール・メルマガは「ほとんど開封して目を通す」と答えたのが26.5%でした。

これらのことから、Eメールの活用のみならず紙のDM(ダイレクトメール)は製薬企業にとって有効なコンタクトツールであるといえるでしょう。

まとめ:MRの医師・薬剤師へのDMアプローチには「OCL(オクル)」がおすすめ!

医療機関への医薬品情報提供に便利な紙のDM(ダイレクトメール)。

定期的な訪問が難しい医師や機関へのフォローアップとしてはもちろん、医師に向けて医薬品の安全性情報確認依頼を送るなど、対面営業の補完に効果を発揮します。

また、講演会や研究会の動画視聴案内にリンク用のQRコードを添付するといった使い方も可能です。

これらのアプローチにはDM制作サービスの「OCL(オクル)」がおすすめです。

オリジナルの無料デザインテンプレートを用いてはがきDMを作成し、印刷・発送まで行えるwebサービスのOCL。

はがきサイズ(通常・圧着2つ折り・圧着3つ折り)なら129円(税込142円)/通の固定料金で、1通からのご利用もOKです。

また営業日の正午(昼の12時)までにご注文いただくと、業界最速クラスの2営業日で発送。

送りたいタイミングを逃さず、迅速なアプローチを実現します。

さらに1通ごとに内容を変えられる「パーソナライズDM」としての機能を活かし、QRコードを添付して効果測定を行う「QRDM」、あるいはABテストとしての運用も可能です。

OCLだと1通でも固定料金で送れるため、時期を気にせずそれぞれの医療機関へピンポイントで迅速かつ手軽にDM施策を打てることが最大の特徴です。

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