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広告の効果が知りたい! 効果測定の重要性とその方法とは

どのような広告も「ただ出しただけ」では、大きな成果を期待することはできません。的確に効果を測定し、その結果を反映した継続的な改善が必要となります。ではどのような手段を用いて、効果測定をおこなっていくのでしょうか。本記事では、広告の効果測定について、考え方や測定によってわかる結果などを解説します。

この記事のポイントまとめ

  • 広告施策には改善のための効果測定が必要
  • 効果測定の方法は、広告の種類によって異なるため、適した方法を用いるべき
  • 広告を改善する方法は目的ごとに異なるため、広告を作る目的を明確にする
  • 測定しやすい手法はWeb広告であること

効果測定の方法を定めて実施し、過去データと比較しよう!

広告の効果測定は過去データとの比較が重要
広告の効果測定は過去データとの比較が重要

TVやネット、新聞などさまざまな媒体を通して発信されている広告。

その力を十分に引き出すためには効果測定を実施し、過去のデータと比較しながら改善策を打ち出していくことが求められます。

そのためには測定の項目と方法を定め、分析が可能なデータ取集とそれに基づいた施策の立案が必要です。

つまりPDCAサイクルを適切に回すことが効果的な広告を生み出すセオリーであり、ブラッシュアップによって継続的な効果アップを図ることが肝要です。

効果測定の基準となる指標とは?

効果測定の考え方
効果測定の考え方

広告の効果測定は、ただデータを集めれば良いというわけではありません。

広告にどのような効果を求めるのかによっても、効果測定の方法は変わってきます。

広告の効果を測る際、以下5つの指標や数値の変動が基準となります。

1.商品やブランドの理解度
2.購入やサービスの利用意向度
3.売上
4.認知度
5.イメージアップ度

まず1.について、名前は知っているもののどんな商品(ブランド)なのか分からない層が多ければ、広告に収益アップは期待できません。そのため、広告を配信することで商品やブランドについてどの程度理解してもらえるのかという基準は、効果測定の際に重要となります。

2.の「購入やサービスの利用意向度」とは、商品やブランド、サービスについて理解されたうえで、実際にユーザーが購入に対してどれほどの温度感で考えているのか、その度合いを計測することです。理解はされていてもこの度合いが低い場合は、企業側が意図していない方向へ理解されてしまっている可能性があるでしょう。

3.の「売上」については、もはや説明の必要はないかもしれません。売上がアップしなければ認知や理解を得られても、企業にとっては「広告の効果があった」とは言えません。

4.についてはどれほどクオリティの高い商品やサービスを提供していても「認知度」が低ければ、売上には繋がりにくいでしょう。特に新商品に関する広告を配信する場合は、この認知率に注目して効果測定をおこないましょう。

5.は広告を配信することで、自社そのものや提供する商品(サービス)のイメージアップも可能となります。どの程度それが叶えられているのか「イメージアップ度」を測定することで、広告の効果を判断できます。

4つの媒体別! 効果測定の方法とその結果からわかることは?

媒体別の効果測定方法と測定結果からわかること
媒体別の効果測定方法と測定結果からわかること

次に代表的な広告媒体ごとの効果測定法と、その結果から何がわかるかについて概観しましょう。

ひと口に効果測定といってもその方法はさまざまで、広告の種類によって異なります。

代表例としてはTVのCMや新聞といったマスメディア、DM(ダイレクトメール)などの紙媒体、ネット広告に代表される電子媒体が挙げられ、それぞれに適した測定法と成果の分析法も異なります。

本章ではこれについて、以下4つの広告媒体を取り上げて解説します。

TVCMは2つの指標から測定

TVのCMにおける効果測定には「GAP」と「GRP」という指標が用いられます。

「GAP」とは、Gross Attention Pointの略であり、延べ注視量を指すものです。センサーカメラを導入することで個人を識別し、CMに対して実際に興味を持って見ているかどうか判断することができます。

「GRP」は、Gross Rating Pointの略称であり、延べ視聴率を示しています。放映時間内における世帯視聴率を足すことで算出できます。しかし、GAPとは違い視聴者が本当にCMに注目しているのかどうかまでは測れません。

両者を合わせて測定することで、どの程度の視聴者に広告が届いていて、そのうち何割ほどの人が広告に興味を惹かれているのかが分かるのです。

新聞広告は2つの指標から測定

新聞で目にする広告は、「CPR」と「CPO」という指標を用いて効果測定をおこなっています。

「CPR」とは、Cost Per Responsの略であり、ユーザーからのレスポンスに対してのコストを算出するものです。簡単に説明すると、一人からサンプルの申し込みや問い合わせなどのレスポンスがあった際、それにどの程度のコストがかかっているのかを割り出すということです。広告の配信にかかったコストをレスポンスの数で割ることで、一人あたりにかかるコストがわかります。

「CPO」とはCost per Orderの略称であり、これは一つの受注に対するコストを割り出すものです。考え方は「CPR」と同様で、一人の顧客を獲得するまでにかかるコストを測定します。

DM広告は3つの指標から測定

DMを配信した際、その反応を測る指標としては以下3つがあります。

  • レスポンス率
  • CVR
  • F2転換率

レスポンス率とは、レスポンスの件数÷DM発送率×100で求められます。レスポンスに該当する行為としては、クーポン券を持参しての来店やお試し商品の注文、アンケートの回答などが挙げられます。

CVRは「Conversion Rate(コンバージョン率)」の略であり、商品やサービスの購入、契約に至った割合を示すものです。DMにおけるコンバージョンとは、商品の購入などが最終的なゴールですが、資料請求をそれに含むケースもあります。

F2転換率とは、お試し商品などを注文した顧客のうち、どれくらいの割合でリピート購入しているのかを知るために必要となる指標です。商品の質に直結する指標と言えるでしょう。

web広告は3つの指標から測定

Web広告の効果測定には、以下3つの指標が用いられます。

  • インプレッション数:広告が表示された回数
  • CTR(Click Through Rate:クリック率):広告がクリックされた割合
  • CVR(Conversion Rate:コンバージョン率):実際にアクションがあった割合

Web広告なら閲覧回数・直帰率なども測定可能です。しかしそれぞれの方法は、なぜ増えたのか・減ったのかといった要因までは測定できません。もちろん、アンケートなどを取ることでわかるかもしれませんが、データ上には反映されません。

web広告の効果を改善するための、3つのポイントとは?

広告効果を改善するためのポイント~Web広告の施策について~
広告効果を改善するためのポイント~Web広告の施策について~

効果測定による過去データとの比較で、現状の広告効果が不十分であれば改善策を実施しなければなりません。広告の配信には当然、相応のコストが発生しているため、早期に手を打てば打つほど無駄なコストを削減できます。

本章ではWeb広告での例を想定し、効果改善のために押さえておきたいポイントを目的別に3つご紹介します。

ポイント① 認知度アップを目指すには

認知度のアップを目指す広告の場合、改善策を考える際に注目したい指標は以下の3つです。

  • インプレッション数
  • フリークエンシー
  • 再生または、視聴回数

フリークエンシーとは、同じ広告が同じユーザーに表示される頻度のことです。上記3つの指標を見て、効果が芳しくないと判断される場合には、配信先を増やしてみましょう。配信エリアを広げることで、インプレッション数を増やすことができます。万が一、増えすぎてしまう場合は、ターゲットの絞り込みなどをおこなうことで調整できます。

ポイント② サイトへの誘導を目指すには

サイト誘導を目的とした場合は、シンプルにクリック数で効果を判断しましょう。またクリック単価に注目することで、より詳しく広告の効果を判断することができます。

広告によるサイト誘導の効果が薄いと感じている場合は、以下4つの点を見直してみましょう。

  • 広告の内容
  • 商品とターゲットの相性
  • 広告媒体
  • 配信セグメント

商品やサービスへの関心が高くない層に、いくら広告を配信しても効果はありません。ターゲットに合った広告内容なのか、そもそも提供している商品(サービス)のターゲットは正しいのか。広告媒体や配信セグメントは適切に選択されているのか……。

これら4点をもう一度見直し、広告施策の改善を検討しましょう。

ポイント③ 売上アップを目指すには

売上アップを目指して広告を配信している場合、その効果を判断するにはCPA(=Cost Per Action:顧客一人あたりの獲得費用)とCVR(=Conversion Rate:コンバージョン率)に注目しましょう。その結果、効果が今ひとつである場合には、広告の要素を細分化してください。以下5つの要素に分けて、広告を見直しましょう。

  • キーワード
  • 広告文
  • 配信エリア
  • 配信面
  • デモグラフィック(人口統計学的属性)

各要素を一つずつ確認し、PDCAを回してみてください。

まとめ

広告の効果測定について、その重要性や測定方法、改善策などを解説しました。広告とは作成して配信しただけでは、費用に対して十分な成果は望めません。効果のある広告にするためには、現状を分析して改善策を講じ、その都度結果を見ていくしかありません。これらのPDCAを回すことで初めて「広告を運用している」と言えるのです。ぜひ本記事を参考に、自社の広告について見直してみてください。

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