例えば、商品を生み出した場合、どうすれば消費者のもとへ行き渡らせることができるのでしょうか。
「宣伝」とは、その商品を世に送り出し、消費者に買ってもらうために必要な活動のことです。
では、いつ、どこで、誰にアピールすればいいのでしょうか。
そして、購買につなげるには、どんな宣伝が効果的なのでしょうか。
このコラムでは、宣伝の方法とそれぞれの特徴をご紹介していきます。
この記事のポイントまとめ
- 宣伝とは、商品やサービスを提供する企業が、消費者に「買ってもらうこと」を前提として、媒体やツールを使って行うさまざまなアクションのこと。
- 広告とは「知ってもらうこと」、広報とは「認知や啓蒙、イメージアップをはかること」であり、宣伝、広告、広報の違いを把握することが大事。
- 宣伝には、紙媒体、インターネット、対面の3媒体、14種類の方法があること。
- 効果的な宣伝を行うには、DMのように1対1で情報を届けられるツールを使うことがおすすめ。
宣伝とは?なぜ必要なのか?
宣伝とは、情報を発信する側がイメージをつくり出し、人々の関心をそのイメージする方向へ導くことです。
多くの商業活動の場合、商品やサービスを提供する企業が、消費者に「買ってもらうこと」を前提として、媒体やツールを使って行うさまざまなアクションのことを指します。
単に商品やサービスを生み出しただけでは、世の中の人々に買ってもらうことはできません。
購買に結びつけるためには、宣伝とその方法を理解して上手に取り入れることが大切です。
宣伝と広告と広報の違い
先に述べたように、宣伝とは、企業側が伝えたい情報を、媒体やツールを使って意図的に消費者へ発信することです。
似たような言葉として、広告が引き合いに出されますが、広告は、買ってもらうことよりまず「知ってもらうこと」を目的としています。
ところが宣伝は、知ってもらうことはもちろんですが、「買ってもらうこと」に重点を置いた活動だというところが似て非なる点です。
そして、広報とは、PR(public relations)ともいい、直接の意味は「社会との関係性」。
つまり、伝えたい情報をプレスリリースなどでメディアに発信し、世間の話題にしてもらうことであり、メディアという公共性の高い第三者に取り上げてもらい、その商品やサービスの信頼性や好感度の向上につなげるものです。
宣伝が販売促進に直結する活動だとすれば、広報はあくまでも商品やサービスの認知や啓蒙、イメージアップを促すための活動といえます。
宣伝、広告、広報。
この3つの言葉の違いをきちんと把握しておきましょう。
紙媒体での宣伝
宣伝方法の中で従来から一般的なのは、紙媒体と呼ばれる印刷物によるものです。
パンフレットやリーフレット、チラシをはじめとする紙媒体は、届けたい情報をしっかりと読んでもらえるツールとしてポピュラーな存在です。
パンフレット・リーフレット
伝えたい商品やサービスの情報をより細かく具体的に語りたい時は、パンフレットが効果的です。
ページ数を増やせば、ほかの商品やサービスから会社情報の掲載まで内容を充実させることができ、しっかりと読みごたえのある冊子に仕上げることが可能です。
また、その商品やサービスのみの情報をダイジェストで伝えたい場合は、1枚の紙を2つ折りや3つ折りにして制作するリーフレットが有効で、気軽に手に取って目を通してもらえるという利点があります。
チラシ
基本的に1枚の紙の片面、もしくは両面に、商品やサービスの情報を掲載したものをチラシといいます。
新聞に折り込まれているものを折込みチラシ、街頭で宣伝員が配っているものを手配りチラシと呼びます。
掲載するスペースが限られているので、いつ、どこで、何がといった必要最低限の要素を瞬時に伝えるために情報を的確に整理することや、アイキャッチとなるビジュアルづくりがポイントになります。
DM
DMとは「ダイレクトメール」のことで、情報を届けたい相手に対して郵便やメール便を使って直接送付する宣伝方法を指します。
はがきから封書、大判封筒まで、伝えたい情報量によってその形態は多様です。
顧客リストをもとにターゲットを細かく設定できるので、特定の情報を特定の相手に効果的に訴求できるメリットがあります。
※SNS(Twitterなど)で用いられる、個人アカウントに送るメッセージを指す「DM」の正式名称は「ダイレクトメッセージ」であり、この記事のDM(ダイレクトメール)とは異なります。この記事のDMは紙でできたものを指します。
ポスティング
住居や事業所の郵便受けにチラシやリーフレットを投函することです。
メリットとしては、1日に1回は郵便受けを開けるという行為から目に留めてもらいやすいこと、エリアを細かく設定して配布できるので地域密着型の訴求ができること、新聞を購読していない家庭や事業所にもアピールできることなどが挙げられます。
FAX
おもに事業所に向けて宣伝したい時は、FAXという方法も有効です。
通信という手段を使って情報を確実に届けられ、しかも一度は受信をチェックしてもらえるということが何よりの利点です。
ポスター
掲出する場所や使い勝手によってポスターのサイズは大小さまざまですが、広く多くの人々に見てもらえるツールとして威力を発揮します。
人目を引くビジュアル表現とキャッチコピーをフックに、情報を訴求するという広告ならではの醍醐味があります。
インターネットでの宣伝
パソコンやスマートフォン、タブレットの普及により、インターネットでの宣伝が急速に増えてきています。
ホームページ、SNS、動画などをうまく利用することで、時間や場所を問わず多くの消費者に情報を伝えることが可能になりました。
ホームページ
今やほとんどの消費者は、ネットで検索して情報を得ていることから、会社やお店もホームページを設けることが当たり前になってきています。
ですが、ただホームページを持っているだけではアクセス数は伸びません。
SEO(検索エンジン最適化)に配慮したコンテンツづくりを行い、検索率を上げるように努めることが大切です。
ユーザー層は幅広く、中高年層に向けてのアピールも可能です。
会社の同僚や取引先の相手ともつながれ、フォーマルな場面で使われることも多いことから、SNSの中では比較的ビジネス関連の宣伝に適しているといえます。
140文字以内の文章メインで、気軽に投稿できるSNSとして人気です。
ユニークで話題性のある投稿は、リツイートで拡散できることが大きな魅力。
その特性を活かして、多くのユーザーに知ってもらいたい情報を発信できます。
心に残った風景や料理など、写真を投稿することに特化したSNSで、若い世代や女性がおもなユーザーです。
投稿写真につけられたハッシュタグで拡散されるので、飲食やアパレルなど、目で見て購買意欲をかき立てる商品やサービスを扱う業種に向いています。
ブログ
ホームページ上のブログはもちろん、Amebaブログやはてなブログ、ライブドアブログなどのブログサービスを使って宣伝するのも、ひとつの方法です。
あなたの会社やお店の情報を、ブログ記事でお知らせすることでユーザーとつながれ、新規顧客の獲得をはかることができます。
写真をたくさん掲載したり、更新の頻度を高めたりして、ファンを増やしていく楽しさも味わえます。
さらにホームページと同様、SEOを意識した執筆を行い、より多くの人々の目にふれる工夫を加えることもポイントです。
動画
パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスの急速な普及により、若い世代を中心に、それらを使って動画やゲームなどを楽しむ人々が増えています。
そうしたことから、CMの需要は、テレビ広告からYou Tubeのような動画配信サービス上で出稿されるネット広告へと確実に移行してきています。
視覚と聴覚に訴えかける動画を使った宣伝には、画像と文字だけでは伝えきれない臨場感と訴求力があります。
対面での宣伝
宣伝したい商品やサービスを、集まった人々に直接、見て、ふれて、試してもらうことで、購買意欲を刺激する方法です。
フェイス・トゥー・フェイスで語りかけることができるので、成約率が高まる傾向があります。
セミナー・展示会
セミナーや展示会では、宣伝したい商品やサービスの紹介を行いながら、集まった人々に直接体験してもらうことができます。
参加者からその感想を聞いて反応を確かめたり、名刺を交換してフォローアップできたりするのはもちろん、展示会では同じように出展している他社の動向を探ることもできます。
街頭宣伝(street promotion)・イベント
駅前など多くの人々が行き交う場所で、チラシとあわせて試供品やノベルティの配布を行い、キャンペーン感を醸成します。
また、ミニライブやスタンプラリーなどのイベントでは親しみや賑わいを演出しながら、商品やサービスの認知向上をはかります。
効果的な宣伝とは1対1で行うこと!
このように、宣伝方法にはさまざまな方法がありますが、それらの特徴を考えず、情報を無作為に不特定多数の人々に発信するだけでは、「購入してもらう」「利用してもらう」といった成果に結びつけるのは困難です。
ターゲットに向けて具体的で直接的なメッセージを送る場合は、やはり1対1で行うのが効果的。
例えば信書※という形式を用いたDMは、特定の受取人に対して〇〇様と宛名を表記でき、差出人の誠実さを表すことが可能な信頼性の高いツールです。
フェイス・トゥー・フェイスではありませんが、届いた情報を自分事としてとらえやすく、「特別な情報を、あなたにだけお届けします」というスペシャル感をアピールできることから、成果につながる確率が高い宣伝方法としておすすめです。
※信書とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」として、郵便法、信書便法で定義されているものです。
まとめ
紙媒体、オンライン、対面という、多種多様な宣伝方法。
効果的な販促活動を行うには、それぞれの特徴を踏まえて訴求することが大切です。
また、ターゲットに即して訴えたい場合には、DMなど1対1で情報を届けられるツールを使うのも一計です。
あなたのお店や会社で扱う商品やサービスを宣伝するために、効果的な方法とは何か?あらためて、じっくりと考えてみませんか。