めくった中に情報満載!DMでおなじみ、「圧着はがき」の仕組みについて

接着面をめくって展開できるタイプのはがきを「圧着はがき」と呼びます。
DM(ダイレクトメール)や公共料金、自治体からのお知らせなどで目にすることも多いのではないでしょうか。

本記事では圧着はがきのメリットを中心に、仕組みや圧着加工剤ごとの特徴についてまとめました。

この記事のポイントまとめ

  • 圧着はがきとは、接着面をめくって展開できるタイプのはがきのこと
  • 圧着はがきには、多くの情報を伝えられる、開封率が高いなどのメリットがある
  • 圧着方法や圧着加工剤ごとの特徴を理解して適切に選ぶ必要がある

はじめに

圧着はがきとは、はがきの印刷面にUVニスや糊(のり)などを塗り、熱や圧力をかけることで内側が見えないように接着したはがきのことです。
見た目やサイズ、郵便料金は通常のはがきと同じですが、掲載できる情報量が多く、コストを押さえて多くの情報を届ける用途に適しています。

また、封筒を開封するよりも手間をかけずに中を見ることができるので、開封率が高い点も圧着はがきのメリットです。

以下に圧着はがきの仕組みや特徴、種類ごとのメリットなどについて解説します。

圧着はがきの仕組み

圧着はがきは、接着面にニスや糊などを塗布し、あるいは高温で融けるフィルムを挟み、アイロンのように熱や圧力をかけることで密着させています。圧着はがきをシールのようにはがすとうっすらと光沢が見えますが、これはニスや糊などが融けた跡です。

一度はがした圧着面は、再び密着することはできません。実際のところ、ニスや糊などを融かして圧着するには強力な熱や圧力が必要です。そのため、一度はがしてしまうと、手で押し付ける程度の熱や圧力では元の状態に戻すことは不可能となります。

圧着はがきの折り方には、2つ折り(V折り)と3つ折り(Z折り)の2種類があります。2つ折りとははがきの2倍の大きさの紙を真ん中で2つに折り、内側を圧着したタイプです。通常のはがきよりも印刷できる面積が2倍になり、多くの情報を顧客に伝えることができます。

3つ折りは通常のはがきの3倍の大きさの紙をZ状に折り、内側になる2面を圧着したタイプです。はがきの表側と裏側の両方からはがせるタイプは3つ折りになります。通常のはがきの3倍の情報量を掲載できるので、顧客へ伝えたいことが多いときに便利です。

ただし、圧着面が2つあるため使用する圧着加工剤の量が2倍、インクや用紙は1.5倍になり、料金もV折りよりは高額になるケースもあります。

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4つの圧着方法    

圧着はがきを圧着する方法には、次の4つがあります。

  • フィルム(PP圧着)
  • 先糊圧着
  • 後糊圧着
  • UVニス圧着

それぞれの特徴やメリット、注意点について見ていきましょう。

フィルム(PP)圧着

フィルム(PP)圧着とは、普通紙に広告内容などを印刷し、圧着する面にフィルム(PP)を敷き、熱を加えて圧着する方法です。以下のメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
・普通紙を使える
・光沢があり、破れにくい
・多少濡れても、開封できる
・納品までに時間がかかる
・コストが高め
・接着力が比較的弱い
・廃棄の際に手で破れない

先糊圧着    

先糊(さきのり)圧着とは、粘着剤が塗布された圧着紙に広告内容などを印刷し、高圧プレスで圧着する方法を指します。メリットとデメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット
・接着力が比較的高く、秘匿性が 
 高い
・1万通程度までならコストが低め
・開封面にペンなどで書き込める
・圧着用紙の消費期限が短い
・光沢がなく、画像がやや不鮮明
・水濡れ後は完全に乾いてから剥
 がす必要がある
・印字量によっては、インクでの
 り面をふさいでしまうので接着  
 力のばらつきや低下が起きる
・保管状態によっては、はがしに
 くくなることがある

後糊圧着    

後糊(あとのり)圧着とは、一般に流通している上質紙や微塗工紙などに広告内容などを印刷してから粘着剤を塗布し、高圧プレスで圧着する方法です。次のメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
・一般に流通している上質紙や微   
 塗工紙などを使える
・接着力が高く秘匿性が高い
・開封面にペンなどで書き込める
・印字面の上から糊を塗布するた
 め圧着強度が安定する(印字量
 に左右されない)
・大量ロットで作成することが基
 本となる
・保管状態によっては、はがしに
 くくなることがある
・水濡れ後は完全に乾いてから剥
 がす必要がある

UVニス圧着

UVニス圧着とは、一般に流通している微塗工紙などに広告内容などを印刷し、圧着する面にUVニスを塗布し、紫外線で硬化させてから圧着する方法です。以下のメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
・一般に流通している微塗工紙な 
 どを使える
・圧着した版面に光沢がある
・コストが低め
・接着力が比較的弱い
・大量ロットで作成することが基  
 本となる
・ニスとインクの相性があるた
 め、印刷に制限が生じる場合が 
 ある
・ニス特有の刺激臭がある通常糊
 よりも価格が高め(PPよりは安
 め)

圧着加工剤の種類と特徴

圧着面に塗布あるいは敷く圧着加工剤には、以下の種類があります。

  • フィルム
  • ゴム糊(感熱糊)
  • ニス糊

それぞれの特徴について簡単に見ていきましょう。

フィルム

圧着加工剤としてのフィルムは2枚重ねのシート状で、同じ形状の樹脂と重ねて紙の間に挟み、熱と圧力をかけて圧着させます。したがって圧着面を剝がすと、それぞれの用紙に一枚ずつフィルムが残ります。フィルムで紙面が保護されるため、圧着面が破れにくくなる点が特徴です。また、フィルムを使って圧着する方法は、小ロットにも対応できるというメリットがあります。

ゴム糊(ラテックス糊)

ゴム糊を圧着面に塗布し、100℃程度の熱風で乾かしたのちに圧着することで貼り合わせます 。圧着面に光沢がなく、マットな印象になる点が特徴です。また、ペンなどで上から書き込むことができるので、返信はがきを付けた圧着はがきを作成するときにも適しています。

UVニス糊

UVニス糊を圧着面に塗布し紫外線(UV)を照射して硬化させ、圧着します。圧着面に光沢が出て印刷がより美しく見えるので、写真を掲載するときやフルカラー印刷に適している点が特徴です。

まとめ

圧着はがきは、顧客に多くの情報を伝えることができる優れた販促手段です。

目的別にその種類を選択することができ。例えば顧客に伝えたい情報がより多いときは3つ折りを。

広告面に光沢を持たせたい場合はフィルム(PP)やニス糊、コストを抑えつつタイムリーにDMを発送したいときはゴム糊での圧着など、用途によって最適な特質のものを検討できます。

本記事の情報を参考に、ぜひ販売促進に圧着はがきをご活用ください。

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