拝啓・拝呈・啓上って、何? 手紙を書く際のマナー「頭語」の種類や使い分けを紹介

拝啓・啓上・拝呈などは、手紙で用いられる「頭語」と呼ばれる言葉です。
はじめに頭語を添えた上で挨拶し、終わりに結語を用いることが手紙を書くうえでの基本的なマナーだといえます。

手紙の頭語の例には、以下のようなものがあります。

1.一般的な挨拶:拝啓・拝呈

2.堅苦しさを避けた挨拶:啓上

3.より丁寧な挨拶:謹啓・謹呈

それぞれその意味と書き方の例をチェックしていきましょう。

1.一般的な挨拶:拝啓・拝呈

拝啓や拝呈などは一般的な挨拶で、手紙やビジネス文書でもよく使われています。
拝啓とは「はいけい」と読み、「拝」は相手への敬意を示し「啓」は「ひらく」と読むことから「敬ってこの手紙を差し上げます」といった意味になります。
拝呈は「はいてい」と読み、「呈」にはものを贈るという意味があることから手紙の頭語の場合は「謹んでこの手紙を贈ります」といった気持ちを表します。

また、決められた組み合わせではありませんが「拝啓」には「敬具」、「拝呈」には「敬白」などを結語として用いるのが一般的です。

拝啓 向寒の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。   (主文など)   まずは略儀ながら 書中をもちましてご挨拶申し上げます。 敬具
拝呈 日頃は弊社商品をご利用いただき、まことにありがとうございます。   (主文など)   今後ともますますご愛顧賜りますようお願い申し上げます。 敬白

2.堅苦しさを避けた挨拶:啓上

啓上は「けいじょう」と読み、「簡単な手紙を差し上げます」という意味があります。

手紙の挨拶として堅苦しさを避けたものを選びたいシーンでは、「一筆啓上」や「一筆啓上申し上げます」などと使うといいでしょう。
この場合には結語を省略しても作法には反しません。

「啓上」に対しては「拝具」の結語を用いるとよいでしょう。

啓上 深緑の候、日に日に日差しも力強さを増しております。   (主文など)   くれぐれもご自愛専一にお過ごしくださいませ。 拝具

3.より丁寧な挨拶:謹啓・謹呈

謹啓や謹呈は、先述の拝啓や拝呈よりもさらに丁寧な挨拶です。謹啓は「きんけい」と読み、謹呈は「きんてい」と読みます。
「謹んで申し上げます」など拝啓と似た意味がある頭語ですが、拝啓よりもさらに丁寧な表現で、目上の相手などに対してより高い敬意を表したい場合に使う言葉です。

謹啓 早春の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。   (主文など)   まずは略儀ながら 書中をもちましてご挨拶申し上げます。 謹白

拝啓・拝呈・啓上に続く文章は、マナーに沿ったものに

拝啓・啓上・拝呈を使った手紙のポイント

拝啓・拝呈・啓上などの頭語を使った手紙では、そのあとの文章もマナーに沿ったものにしましょう。
頭語の次は主文と呼ばれる手紙の用件を書き、それから結びの言葉、結語の順で書きます。結語のあとに、日付や発信人の名前、宛名も書きましょう。

挨拶文を使う丁寧な手紙では、「前略」は使わないようにします。
また、行のはじめに自分や身内を指す言葉がこないようにする、行の終わりに手紙の送り先の名前がこないようにする、「て」「に」「を」「は」を省かないなどのポイントに注意が必要です。

拝啓・拝呈・啓上の使い分けに注意して、心のこもった手紙を!

拝啓・拝呈・啓上を使った手紙を出そう!

これまで見てきたように、拝啓・拝呈・啓上は手紙で用いられる頭語です。
はじめに頭語を使って挨拶し、終わりに結語を記すことが手紙を書く際の基本的なマナーであることを述べました。
一般的な挨拶には拝啓や拝呈を、堅苦しさを避けた挨拶には啓上を、より丁寧な挨拶には謹啓や謹呈を使うといいでしょう。
そのほかにも手紙のマナーには様々なものがありますが、拝啓・拝呈・啓上の使い方に注意しつつ、心のこもった手紙を出しましょう。

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