梅雨明けから送り始める「暑中見舞い」は、親しい人・お世話になっている人などへの近況伺いや報告を兼ねた挨拶状です。
個人同士ではもちろん、企業の間で送られることもあります。
本記事ではそんな暑中見舞いについて送る時期や起源、書き方のマナー、文例などをビジネスシーンでの用例を交えて解説していきます。
暑中見舞いって、何?いつ送るもの?
梅雨があけると、季節はいよいよ夏になります。
そんな時期に送るのが「暑中見舞い」です。
厳しい暑さを乗り越えるよう、相手を気遣って送る暑中見舞いですが、いつ頃に送るものなのか正確な時期はよく知られていないのではないでしょうか。
本章では、暑中見舞いを送る時期や起源、由来などについて解説します。
暑中見舞いを出す時期は、梅雨明け頃から立秋の前日まで
暑中見舞いは、梅雨明け頃から送られる挨拶状です。
具体的な時期としては、7月7日前後から立秋の前日(8月6日頃:年によって変動)までに送られる挨拶状です。
しかし、梅雨明けの時期は年や地域によっても異なるため、お住まいのエリアと送り先の状況をよく考慮して送るのがよいでしょう。
暑中見舞いの時期を逃してしまった場合は「残暑見舞い」を送るという方法もあります。
暑中見舞いは、いつから始まったのか? その由来は?
暑中見舞いが送られるようになった起源は、江戸時代まで遡ります。
当時は、お盆に里帰りをする際に、手土産を持参し、先祖の霊にささげていたそうです。
しかし、現在のように飛行機など、交通手段が豊かではありませんでした。
そのため、遠方の親戚に会いに行くのは困難でした。
そこで遠方へ住む方には、飛脚便を使って書状や贈り物を送ることがありました。この書状こそが「暑中見舞い」の起源と考えられています。
暑中見舞いを書く際のマナーや文例とは?
暑中見舞いは、相手のことを第一に考えて送るものです。
相手に不快な思いをさせてしまうことがないように、まずは暑中見舞いに関する、書き方のマナーを押さえておくことがポイントです。
本章では暑中見舞いの書き方について、マナーや文例などを解説します。マナーを守って暑中見舞いを送り、送る人と受け取った人が良好な関係を継続していけるよう心がけましょう。
文面に含めるべき4つの要素
暑中見舞いを書く際は、以下のような要素を含めることがマナーとなっています。
- お見舞いの挨拶
- 時候の挨拶
- 結びの挨拶
- 日付
上記の要素を盛り込んだうえで、自身が変わらず健康なことなど、近況報告を添えるのも良いでしょう。
また相手への日頃の感謝を伝える一文があることで、より好印象を与えることができます。
日付については、詳細な日時ではなく「盛夏」と記すのが一般的です。
個人に宛てた暑中見舞いの文例
マナーを抑えたうえでも、実際に書き始めると、どのように書けば良いのか頭を抱えてしまう方もいらっしゃるでしょう。
具体的な文例として以下に挙げていますので、ぜひ参考にしてみてください。
暑中お見舞い申し上げます 厳しい暑さが続く毎日ですが いかがお過ごしですか。 今年も例年以上の猛暑とのこと、先が思いやられますね。 ご体調など崩されぬよう、心よりお祈りいたしております。 |
「お知らせ」を織り交ぜたビジネスシーンでの文例
企業間で暑中見舞いのやりとりをする際も、対象の呼び名が「貴社」となるなどの違いはあっても基本的な構成は通常のものと変わりません。
しかし挨拶のみではなく、企業ならではのお知らせを織り込んで通知文を兼ねるというスタイルも一般的です。
例えば夏季休業期間や、クールビズ開始の情報などが相当します。以下に例文を挙げてみましょう。
・夏季休業期間の通知を含めた文例
暑中お見舞い申し上げます 平素は格別のご高配を賜りまことにありがとうございます。 ~略~ さて、弊社におきましては以下の日程で夏季休業期間を設けております。 ~日程通知~ |
・クールビズ実施期間の通知を含めた文例
暑中お見舞い申し上げます 平素は格別のご高配を賜りまことにありがとうございます。 ~略~ さて、弊社におきましては以下の期間でクールビズ実施を予定しております。 ~期間通知~ |
暑さが厳しい時期、相手への気遣いを暑中見舞いで表そう!
暑中見舞いについて、送る時期や起源、書き方のマナー、文例などを解説しました。
夏の厳しい暑さを乗り切るために、送り主と受け取り手、お互いが相手の健康を願って励まし合うのが「暑中見舞い」です。
はがき一枚であっても、こうした伝統的な作法に則った気遣いはやはり嬉しいものですよね。
手紙を送るという行為を通じて、大切な人に真心を伝えるのもまた厳しい季節を乗り切る生活の知恵といえるでしょう。