例年8月上旬頃に訪れる二十四節気の「立秋」。
この日を境に暦の上では秋となりますが、暑さはまだまだ続きます。
そんな時期を見舞う便りが「残暑見舞い」です。
本記事では残暑見舞いについて、送る時期や起源、書き方のマナー、挨拶の例などをビジネスシーンの用例も含めて解説していきます。
残暑見舞いとは、まだ残る暑さを見舞う便りのこと
暦の上では「秋」と呼ばれる季節であっても、実際の季節ではまだまだ暑い日が続きます。
これからが暑さのピークという時期に油断せず、よりいっそう健康に気遣っていきましょう、といった内容の挨拶状を送り合うのが「残暑見舞い」です。
本章では、残暑見舞いについて、どのような挨拶状なのか、また暑中見舞いとの違いなどを解説します。
残暑見舞いを送るタイミングはいつ?
残暑見舞いを送る時期は「立秋」以降の8月中で、年によって立秋の日は変動するものの概ね8月7日頃から31日までを目安に送りましょう。
もちろん明確に日付が決まっているわけではありませんが、立秋以前ですと「暑中見舞い」という名になるため注意が必要です。
暑中見舞いとの違いって何?
前記の「暑中見舞い」とは、残暑見舞いと同じように夏期に送る挨拶状の一つです。
しかし、終わらない暑さの「残暑」を見舞う前者とは異なり、暑中見舞いは「夏本番の暑さ」を見舞う挨拶状です。
暑中見舞いの時期としては、梅雨明け頃〜8月上旬(立秋の前日まで)にかけて送ります。
目安としては、毎年の立秋を境として残暑見舞いに切り替わると覚えておくと良いでしょう。
マナーやセオリーを押さえた残暑見舞いの書き方は?
残暑見舞いを始めとした「季節の挨拶」には、いくつかのルールがあります。
マナーを守って挨拶状を出さなければ、意図せずして相手への礼を失してしまう可能性もあります。
本章では、残暑見舞いを書く際の基本的なマナーや挨拶の例について解説します。初めて残暑見舞いを書く方は、ぜひ参考にしてください。
残暑見舞いを書く際の基本的な4つの要素
残暑見舞いを書く際は、基本的に以下のような要素を含めることがマナーとなっています。
①冒頭の挨拶(「残暑お見舞い申し上げます」など)
②相手の健康や近況を気遣う一文
③自身の近況報告
④今後の変わらずのお付き合いを求める一文
ポイントとしては、自身の近況報告を書く前に「相手の近況」を尋ねることです。
残暑見舞いに限ったことではなく、「見舞い」を冠する手紙ではあくまでも相手の近況を伺い、健康を気遣うために送る点に気をつけましょう。
「残暑お見舞い申し上げます」に続く挨拶例
残暑見舞いの本文で記すことは他の季節の見舞い状と大きく変わりませんが、特にこの季節ならではの挨拶に特徴があります。
以下に「残暑お見舞い申し上げます」に続く挨拶例を挙げてみましょう。
・暦の上では秋となりましたが、うだるような暑さが続いています
・立秋を過ぎたとはいえ、涼風の頼りはもう少し先のことになりそうです
・猛暑厳しい日々ですが、皆様におかれましてはご健勝でおられますか
・酷暑もピークを迎えつつあり、まもなくの秋の便りを心待ちにする日々です
・まだまだ暑い日が続きますが、朝夕の風に時折り秋めいたものを感じられます
このように残暑見舞いは、手紙を出す際の作法としての時系列では「秋」に相当すること、しかし現実の気候ではさらに暑さのピークを迎えることなどが大きなポイントとなります。
こうした季節上の話題を一つの定型として、相手の近況や健康を気遣う流れにするのが文面のセオリーといえるでしょう。
礼状を兼ねたビジネスシーンでの残暑見舞い文例
企業間で残暑見舞いをやり取りすることもありますが、この時期にそうした挨拶状を送る風土がある場合は「暑中見舞い」を選ぶことが考えられます。
タイミングの違いではありますが、暑中見舞いであれば夏季休業やクールビズ期間のお知らせなど、この季節ならではの様々な情報を通知することも。
残暑見舞いでも同様の使い方は可能ですが、ここでは受け取った暑中見舞いや、頂いたお中元などへの礼状としての例文を見てみましょう。
・暑中見舞いへの礼状としての文例
残暑お見舞い申し上げます 先日はご多忙の折り、ご丁寧なお見舞いを頂戴しまことにおそれいります。 あたたかなお気遣いに弊社一同心より御礼申し上げます。 ~略~ まだまだ暑さが緩まぬ時節、皆々様におかれましてはご自愛くださいますようお願い申し上げます。 |
・中元への礼状としての文例
残暑お見舞い申し上げます 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 この度はお心尽くしのお品を頂戴し、まことにありがとうございました。 いつも細やかにお気遣い頂き、弊社一同心より感謝しております。 ~略~ 暦の上では秋とはいえ、暑さはこれからがピークかと存じます。 皆々様におかれましては健康第一でお過ごしくださいますようお願い申し上げます。 |
心をこめた残暑見舞いで、良好なコミュニケーションを!
残暑見舞いについて、送る意味や暑中見舞いとの違い、基本的なマナー、挨拶に続く例文について解説しました。
まだまだ続く暑さに負けないよう、相手を励ます意味でも送り合う残暑見舞い。
相手の健康を気遣い、変わらず良好な関係を築いていけるように、もうひと山の暑さを乗り切る願いを込めて送ってみてはいかがでしょうか。